小学生の頃、星や宇宙の話が大好きで、図書館でよく星の図鑑を借りていた。
夏の大三角、南十字、くじら座の変光星ミラ、ブラックホール…
何回も何回も繰り返し同じ図鑑を借りて家に持ち帰って楽しんでいた。
私たちにはもう想像できないほど、地球から遠く空の向こうにある星たち。
今は見えている星でも、実はもうなくなっているものもあるのだ。
考えれば考えるほど宇宙は謎で不思議で興味深い。そして、人間なんて大した物じゃないんだ、と思う。
もし私が今の人間という形じゃなかったら、サクソフォーンという楽器がなかったら、そもそも音楽というものがなかったら。
全ての出来事は偶然で、奇跡なんだろうな。
当初グリーンレイで長生淳さんの【彗星】をやることになった時、はっきり言ってどういう風に仕上がるのか、私は想像がつかなかった。
今まで取り組んできた作品とは少し手触りが違うというか、グリーンレイがやるイメージがなかったというか。
練習を続けていくうちに、曲の印象が変わっていった。
指がパラパラしていて、鋭くて圧が強くて。そんな印象だったけど、違うイメージがたくさん湧いた。
主観的な印象の彗星なのかと思っていたけれど、もっと客観的な曲なんだな、と思うようになった。彗星に対して人間が思うこと。彗星とはなんなのか、どこから来るのか、なぜあの美しい尾があるのか…
宇宙への不思議と興味、星の刹那。もっと繊細で情熱的で、儚い曲なんだと思った。メンバー同士でイメージや流れを表現の共有をして作り上げていった。
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本番は、自分たちの想像を超えるたくさんの方が、私たちのライブを見てくださっていた。
演奏したのはいつものスタジオだったけど、空気感はまるで違った。
画面の向こうでまだ会ったことのないたくさんの人たちがグリーンレイに期待して、応援してくれている。自然と気持ちが熱くなった。
今本番を聴き直しても、もちろん悔しいところもあるけど、すごい熱量の演奏だと画面越しでも感じる。
こうやって音楽を届けれらることも、存在証明することもできるんだ、と思った。
各SNSでもたくさんの熱いメッセージ、応援の言葉をいただいて本当に嬉しかった。今回のライブも、そんな温かいファンの皆のお陰であの熱量が出たと思う。本当にありがとう。
あすみちゃんはライブの途中で泣いていた。私は帰りの電車で色んなメッセージを読んだり改めて色んなことを感じて泣いていた。輝く恒星たちに見守られているな。グリーンレイは。
いつか画面越しの皆に会いたい。会って感謝を伝えたい。
その思いを強くしたライブでした。
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3/17. 火
Green Ray Saxophone Quartet
長生淳/彗星
山本哲也/グリーン・セレナーデ
anc. ムーンライト伝説
photo:写真AC